2016-10-18から1日間の記事一覧

【第2話】真実

「マジだって」 桐島はポケットから手鏡を取り出して、僕に渡した。 手鏡は手の平より少しだけ大きめで、鏡の表面には薄く白い指紋が、いくつも付着していた。桐島が日に何度も手鏡を覗いては、薄くなっていく己の髪の毛に、溜息をつく姿が目に浮かんできた…